1.今回は睡眠薬と認知症について、述べさせて頂きます。

 

一般に、寝つきが悪い、中途覚醒する、一晩中うとうとして熟睡出来ていない場合に、不眠症と言っているようであり、一口に「不眠」といっても、その症状は人によって様々です。また不眠は身体疾患や精神疾患を併せ持ったことにより不眠症になっている場合もありますから、対処するのが難しいようです。

睡眠薬は、認知症になるから怖くてのめない、現在睡眠薬を服用中であり、何度辞めよう

としても、辞められないと、睡眠薬に対しての不安感を持ちながら毎日過ごしている人が多いようです。週刊誌などで「認知症のリスクを高める」と言う記事を見かけたりしますね。
現在、病医院で処方されている睡眠薬には大きく分けて3種類(ベンゾジアゼピン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬)ありますが、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬は認知症には影響を及ぼさないと言われており、ベンゾジアゼピン受容体作動薬がほとんどです。しかし、同じような方法でおこなった他の調査では睡眠薬は認知症のリスクを高めないとするものも複数あり、睡眠薬と認知症の関係はまだはっきりしていないというのが現状であると考えられます。
また、睡眠不足や不眠症そのものが認知症のリスクを高めるという結果から考えられることは、不眠に悩んでいる方は睡眠薬に対して罪悪感や不安感を持っていることから、不眠を我慢するのではなく、まず不眠を起こしやすい生活習慣の見直しをおこなった上で、必要があればできるだけ少量の睡眠薬を使用して、不眠が改善したら減量・中止していくという対応が最善であると考えられております。

 

                 2.運動の重要性

 

加齢により身体機能の低下により、以前のように睡眠時間が取れなくなると言われています。トイレが近くなるため、中途覚醒が多くなったり、昼間の活動や外出する機会が減って、歩く時間が短くなり、疲労感などが少なくなって眠気を誘う誘因も乏しくなってしまいます。満足する睡眠がとれないと、心身疲労が回復せず、集中力・やる気が喪失したり、併せ持つ疾病の治療の半減になりかねないので、質の良い睡眠をとりたいもんです。

       3.睡眠薬と認知症【元住吉こころみクリニックHP】表借用

                            https://cocoromi-cl.jp/

睡眠薬では、効果を発揮する(入眠)時間や効果持続時間が問題になりますが、①催眠作用だけに及ぼす睡眠薬(非ベンゾジアゼピン系睡眠薬)や、②催眠作用のみならず、筋弛緩作用や認知機能に影響を及ぼす抗不安作用を併せ持つ(ベンゾジアゼピン系睡眠薬)があります。これらは、薬剤によって異なりますので、理解して服用されるのが宜しいかと思います。

4.睡眠薬の作用別分類

 〇非ベンゾジアゼピン系

 マイスリー・アモバン・ルネスタ

 〇ベンゾジアゼピン系

 ハルシオン・レンドルミン・エパミール・ロラメット・リスミー・デパス・

 サイレース・ロヒプノール・ユーロジン・ベンザリン・ネルボン

 〇オレキシン受容体拮抗薬 (安全性が高く処方増大) ベルソムラ・デエビゴ

 〇メラトニン受容体作動薬(自然の眠りに導く) ロレゼム・メラトベル

   

  ★精神科薬は、効果発現時間、効果持続時間、副作用、1錠のmg数

    2剤服用時の飲み合わせ等多種多様なので気をつけましょう。

  ★下記の不快症状

   寝つきが悪い、中途覚醒、早朝覚醒、悪夢を見る、ふらつき、身体的症状

   薬を服用してから出た不快な精神的・身体的症状を先生にお話しして

   現在の症状に最適な薬を処方して頂きましょう。

     ★上記のことは、スマホ・PCで検索すれば出てくると思いますが、

   分からなかったら、「質問・相談」のアドレスにメールを

   頂けば幸いです。